
犬猫漢方アドバイザー|犬猫の漢方・生薬・体質・疾患との関係を自宅で学べる資格
2026年09月16日 20:08
犬猫漢方アドバイザーとは?
「犬や猫にも漢方は使われるの?」「漢方と薬膳は何が違うの?」「同じ漢方でも犬と猫で使用量は違う?」「体質によって漢方の考え方が変わるの?」
近年、人の医療だけでなく、犬猫の獣医療においても漢方や植物由来成分を取り入れた統合的なアプローチが研究・利用されています。一方、「天然だから安全」「漢方だから副作用がない」と考えることはできません。
犬猫では、人とは代謝や栄養学的特徴が異なり、生薬の種類や量によっては有害作用が生じる可能性があります。また、動物病院で処方されている医薬品と漢方・生薬を併用することで、相互作用が生じる可能性についても考える必要があります。
犬猫漢方アドバイザーは、犬猫における漢方について正しく理解するために、漢方・生薬の基本から、伝統的な体質の考え方、漢方の組み合わせ、使用量を考える際の基本、犬猫の健康状態や疾患との関係、安全性まで総合的に学ぶ資格です。
病気を自己判断して漢方で治療することを目的とするのではなく、「漢方とは何か」「どのような考え方で使用されるのか」「犬猫へ使用するときに何に注意する必要があるのか」を理解することを目指します。
犬猫にも「漢方」という選択肢がある
漢方や中国伝統医学を背景とした生薬の利用は、人だけに限定されたものではありません。
獣医領域でも中国生薬を小動物診療へ応用する分野があり、2025年には犬猫を含む小動物診療におけるChinese Herbal Medicineの臨床応用を扱ったレビューも発表されています。
しかし、ここで重要なのは、「犬猫にも使用されている」=「どの漢方でも安全に家庭で使用できる」ではないということです。
漢方には複数の生薬を組み合わせたものがあり、原料となる植物にはさまざまな化学成分が含まれています。さらに、犬と猫でも身体の特徴は異なります。
そのため本講座では、「この症状にはこの漢方」と単純に暗記するのではなく、まず漢方を構成する生薬や伝統的な考え方について理解するところから始めます。
「漢方」と「生薬」の違いから学ぶ

漢方を理解するうえで最初に整理したいのが、漢方と生薬の関係です。生薬とは、植物など天然由来の素材を一定の方法で加工し利用するものです。
漢方では、それらを単独で考えるだけでなく、複数の生薬を一定の考え方に基づいて組み合わせた処方が用いられます。
つまり、生薬を知ることと、漢方処方を理解することは同じではありません。
一つひとつの生薬について学ぶだけでなく、それぞれがどのような目的で組み合わされているのかを理解することが、漢方を学ぶ第一歩になります。
漢方と薬膳は同じものではありません

EduTailでは「ペット薬膳アドバイザー」と「犬猫漢方アドバイザー」を別資格として学びます。
薬膳では、日常的な食材と、陰陽、気・血・水、寒熱、虚実などの伝統的な考え方を中心に、毎日の食生活への取り入れ方を学びます。
一方、犬猫漢方アドバイザーでは、漢方処方やそれを構成する生薬について、より専門的に理解を深めます。
「食事として何を与えるか」を中心に考える薬膳に対して、漢方では生薬の特徴、組み合わせ、使用量、安全性、禁忌、医薬品との相互作用など、さらに慎重な知識が必要になります。この違いを理解することも本講座の大切な学習内容です。
犬猫の体質と漢方の関係を学ぶ
伝統的な東洋医学では、同じ症状だけを見てすべての個体を同じように考えるのではなく、その個体の状態を総合的に捉える考え方があります。
そこで用いられるのが、陰陽、寒熱、虚実、気・血・水などの概念です。例えば、「冷えているように見える」「活動性が低い」「食欲や便の状態が変化している」といった複数の情報を観察し、伝統理論上どのような状態として捉えるのかを考えます。
ただし、本講座における「体質判断」は、獣医師が行う疾病の診断ではありません。また、「気」「陰陽」「虚実」などは伝統医学における概念であり、現代獣医学の血液検査や画像診断などによって測定される生理学的指標と同一ではありません。この違いを理解したうえで学ぶことを重視します。
同じ症状でも同じ漢方とは限らない
漢方を理解するうえで特徴的なのが、単純な「症状=処方」という考え方だけではないことです。例えば、同じような消化器症状が見られる犬猫でも、伝統医学上の状態の捉え方によって異なる考え方がされる場合があります。
逆に、異なる症状であっても、伝統的な体質分類では共通する特徴が考えられる場合があります。獣医領域の中国生薬についても、個体ごとのパターン評価を重視する考え方が紹介されています。
本講座では、漢方名を丸暗記するのではなく、「犬猫の状態を観察する → 現代獣医学的な評価を優先する → 伝統理論上の特徴を整理する → 漢方・生薬について考える」という順序を大切にします。
疾患別に漢方を学ぶときに大切なこと

犬猫漢方アドバイザーでは、犬猫でみられるさまざまな健康上の問題と漢方について理解を深めます。
例えば、皮膚、消化器、泌尿器、関節、呼吸器など、身体の部位や疾患カテゴリーごとに、どのような漢方・生薬が獣医領域で検討されているのかを学習します。ただし、「この病気なら、この漢方を与えればよい」という教え方はしません。
同じ疾患名であっても、年齢、体重、基礎疾患、現在使用している薬、検査結果などは一頭一頭異なります。さらに、漢方・生薬については、犬猫で十分な臨床研究が行われているものもあれば、科学的根拠が限定的なものもあります。
獣医植物療法については研究が進んでいる一方、既存の医薬品と直接比較するデータがない場合も多いことが指摘されています。「伝統的に使われてきた」という情報と、「犬猫に対して有効性・安全性が科学的に確認されている」という情報を区別して学ぶことが重要です。
漢方の「配合量・使用量」はどう考える?
犬猫漢方アドバイザーでは、漢方を学ぶうえで重要となる量の考え方についても理解を深めます。
ここで注意したいのが、「体重5kgだから○g」だけでは適切な量を決められないという点です。同じ名前の製品でも、原料生薬、抽出方法、エキス濃度、剤形などが異なる場合があります。
さらに犬猫の種類、体重、年齢、健康状態、併用薬などによっても安全性を考える必要があります。
獣医漢方に関する専門文献でも、用量、患者の状態、薬物・生薬相互作用などを考慮する必要性が指摘されています。そのため、本講座で配合量を学ぶ目的は、数字を覚えて自己判断で処方するためではありません。
「原料そのものの量なのか」「抽出物の量なのか」「製品としての量なのか」などを区別し、量を評価するために必要な基本知識を身につけます。
犬と猫では同じ量とは限らない

犬と猫を一括して「ペット」と考えることにも注意が必要です。
犬と猫では代謝や生理的特徴が異なるため、人用の漢方やサプリメントを単純に体重換算して与えることは避けるべきです。
特に猫は、さまざまな化学物質の代謝について犬や人と異なる特徴があります。
「人が飲んでいる漢方だから安全」
「小型犬に使えるから猫にも少量なら大丈夫」
とは判断できません。犬猫漢方アドバイザーでは、動物種の違いを考えることそのものを、安全な漢方理解の基本として学びます。
「天然だから安全」は間違い
漢方について最も注意したいポイントの一つです。天然由来という言葉は、「副作用がない」「大量に使用しても安全」という意味ではありません。
獣医領域の中国生薬では、アコニチンを含むトリカブト類、エフェドリン類を含む麻黄など、重大な有害作用につながり得る生薬が報告されています。また、不適切な量、誤った組み合わせ、加工上の問題、薬との相互作用なども有害事象の原因になり得ます。
だからこそ本講座では、「何に使われるか」だけではなく「どのような危険性があるのか」までセットで学ぶことを大切にします。
漢方と動物病院の薬を併用するとき

愛犬・愛猫がすでに薬を服用している場合には、さらに注意が必要です。
植物由来成分であっても、薬の吸収、代謝、作用などへ影響する可能性があります。Merck Veterinary Manualでは、植物療法を既存の医薬品へ追加することで、併用薬の血中濃度へ影響する可能性についても解説しています。
特に、抗凝固・抗血小板作用に関係する薬、鎮静作用を持つ薬などでは、植物成分との相互作用を考慮する必要があります。そのため、薬を服用している犬猫へ自己判断で漢方や生薬を追加することは推奨しません。
現在使用している医薬品・サプリメント・漢方をすべて獣医師へ伝えることが大切です。
人用漢方を自己判断で犬猫へ与えない
家庭に人用の漢方薬があるからといって、それをそのまま愛犬・愛猫へ与えることは避けるべきです。人で使用されている医薬品やサプリメントの多くは、犬猫で安全性が確認されているとは限りません。
Merck Veterinary Manualも、人用の市販薬・栄養補助製品の多くについて動物での安全性が確立しておらず、一部は毒性を示すことを注意喚起しています。
漢方についても同じです。人用製品を体重だけで割って犬猫へ与える、という考え方はしません。
漢方の品質についても考える
漢方・生薬では、「何という植物が入っているか」だけでなく、製品の品質も重要です。植物は産地、収穫時期、加工、保存などによって成分が変化する可能性があります。
さらに、製品によって品質管理の状況が異なることもあります。獣医植物療法の資料でも、製品の品質や成分、汚染・混入などについて注意する必要性が指摘されています。
本講座では、漢方名だけで商品を選ぶのではなく、原材料、製造者、含有量・濃度、品質管理などの情報を確認する視点についても理解を深めます。
シニア犬・シニア猫と漢方

高齢になると、複数の疾患を抱えたり、複数の薬を服用したりする犬猫も増えてきます。そのためシニア期では、「自然なものだから身体に優しい」という理由だけで漢方を追加することは適切ではありません。
肝臓や腎臓などの状態、現在使用している薬、食欲、体重などを含めて考える必要があります。シニアだから漢方が必要なのではなく、その犬猫に漢方を検討する合理的な理由があるか、安全に利用できる状況なのかを考えることが大切です。
漢方は現代獣医療の代わりではありません
犬猫漢方アドバイザーで最も大切にしたい考え方です。漢方を学ぶことと、現代獣医療を否定することは全く異なります。
嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少、呼吸異常、けいれん、排尿異常、強い痛みなどが見られる場合、まず必要なのは原因を調べることです。
血液検査、尿検査、画像検査などを行うことで、初めて分かる疾患もあります。病気の診断と治療を漢方の体質判断だけに置き換えないこと。これを前提として、獣医師と相談しながら漢方を選択肢の一つとして考えることが重要です。
犬猫漢方アドバイザー講座で学べること

本講座では、漢方と生薬の違いから始まり、漢方の歴史と基本的な考え方、陰陽、寒熱、虚実、気・血・水などの伝統理論、犬猫の体質の捉え方について学びます。
さらに、代表的な生薬と漢方処方、それぞれの特徴、組み合わせの考え方、犬猫における使用量を理解するための基本、疾患・健康状態との関係について理解を深めます。
同時に、副作用、犬猫で注意すべき生薬、医薬品との相互作用、製品品質などについても学びます。
単に、「○○には○○という漢方」と覚える講座ではありません。
「何が含まれているのか」「なぜその組み合わせなのか」「どの程度の量なのか」「その犬猫に使用して問題がないのか」「科学的根拠はどこまであるのか」まで考えられる基礎力を身につけることを目指します。
犬猫漢方アドバイザーが目指すもの
犬猫漢方アドバイザーは、漢方を自由に処方したり、漢方だけで犬猫の病気を治療したりするための資格ではありません。
目指すのは、漢方に関する情報を正しく理解できる人材です。
「犬猫を観察する → 健康上の異常は獣医師へつなぐ → 漢方の伝統理論を理解する → 生薬・処方内容を確認する → 量と安全性を理解する → 相互作用を確認する → 獣医師と相談しながら適切に活用する」
この一連の考え方を身につけることで、「天然だから安全」「ネットに○gと書いてあったから大丈夫」といった判断ではなく、犬猫の安全を第一に漢方について考えられるようになることを目指します。
よくある質問 Q&A
Q. 犬や猫にも漢方は使われていますか?
はい。獣医領域でも、中国生薬を含む植物療法について研究・臨床利用が行われています。
ただし、すべての漢方について犬猫で十分な有効性・安全性が確認されているわけではありません。研究状況は生薬や処方、対象疾患によって異なります。
Q. 犬猫漢方アドバイザーでは配合量についても学べますか?
はい。犬猫における漢方の量を理解するための基本について学びます。
ただし、単純な「体重○kg=○g」という処方表を覚えることが目的ではありません。生薬、製品濃度、剤形、健康状態などによって条件が異なるため、量の意味と安全性を理解するための学習を行います。
Q. 資格を取得したら犬猫へ漢方を処方できますか?
本資格は、獣医師による疾病の診断や治療、医薬品の処方に代わる資格ではありません。
漢方・生薬に関する基本情報を理解し、安全性や使用上の注意を学ぶための教育資格です。
Q. 犬と猫で同じ漢方を使えますか?
同じ漢方・生薬が検討される場合があっても、犬と猫を同一条件で考えることはできません。
動物種、体重、年齢、疾患、使用薬、製剤などを考慮する必要があります。
Q. 漢方なら副作用はありませんか?
いいえ。
生薬にも薬理作用があり、有害作用を生じるものがあります。獣医領域では、トリカブト類や麻黄などについて重大な毒性が知られています。
Q. 動物病院の薬と一緒に使用できますか?
併用できる場合もありますが、薬物相互作用を考える必要があります。
自己判断で追加せず、現在使用している薬やサプリメントを獣医師へ伝えたうえで相談することが大切です。
Q. 人用の漢方を少量なら犬猫へ与えても大丈夫ですか?
自己判断では与えないでください。
人用製品について犬猫で安全性が確認されているとは限らず、体重だけから安全量を決めることもできません。
Q. 疾患別の漢方についても学べますか?
はい。犬猫でみられる健康上の問題・疾患と、獣医漢方で検討される処方や生薬との関係について学びます。
ただし「疾患名から漢方を自己選択する」ことを目的とはせず、獣医師による診断・治療を基本として理解を深めます。
Q. ペット薬膳アドバイザーとの違いは何ですか?
ペット薬膳アドバイザーでは、陰陽や気・血・水などの薬膳理論と、犬猫の体質、日常的な食材・食事管理を中心に学びます。
犬猫漢方アドバイザーでは、そこからさらに踏み込み、生薬、漢方処方、組み合わせ、量、安全性、疾患との関係、医薬品との相互作用などを学びます。
両方を学ぶことで、「日常の食事としての薬膳」と「漢方・生薬」を区別して理解しやすくなります。


